「裏のバイトの話:風俗調査員」     やっぱ世の中コネですよね。





世の中には変わったバイトがある。
私の友人は昔開店から閉店まで同じ台でパチンコを打ち続けるという、不思議なバイトの
経験者だった。
まず、店から2万円分のカードを受け取った友人は指定された台でメシとトイレ以外は
打ち続けるのだ。もし、カードがなくなればまた、店から支給される。ドル箱を山積みに
したところで止められない。もし閉店までドル箱が残ればその換金額は彼のモノになる。
一見うらやましいような気もするが、彼曰く「かなり辛い」のだそうだ。
何しろバイト料はないので閉店時に換金できなければ疲れだけが残るのだろう。
ところで店は何の得があるのでしょうか?ちなみにこれはいわゆる店のサクラのバイトでは
ないらしい。(マイナスになる事も多かったそうなので)

さて、私も変わったバイトというか風俗関係の調査員を1度した事がある。

10年以上前の事だろうか。
友人が留学先で知り合った女性が大阪でヘルスを始めたという事で私と友人は、
その店に行ってみる事にしたのである。
私は友人に誘われて嬉しかった。だって風俗の裏側(内側)を見るなんて、なかなか
機会がないんだもの。うまくすれば半額くらいで遊べるかもしれんし。。。。
取材に行く風俗ライターにでもなった気分です。

店はいわゆるラブホテル街の一角にあり、カップルとひっきりなしにすれ違う。こちらは野郎が
ふたりなので何となくチラチラ見られたような気がした。ホモのカップルだとでも思われたのかも知れない。
店はとてもきれいで(内装がね)花や絵画などが多く飾られて、いかにも女性的な雰囲気だった。
我々が店に入ったのはまだ開店前で女の子はいなかったので待合室で女店長と話をした。

会った女性は雇われ店長らしかったが、結構キツそうな印象だった。年の割になんとなくエキゾチックで
友人からあとで聞いたところによると、やはりこの店のオーナーの女らしかった。
(まぁそういう事でもない限り若くして店長にはなれんよね。しかも女性でね)

「遊んでく?お金いいよ」
キタ―――――(゜∀゜)――――――ッ!!
しばらくして店長が言った。私は心の中でガッツポーズである。
半額かと思ったらタダかよ、ベイビー。さっき{キツそう}なんて思っちゃってごめんよ涙。いやいや、
友人と店長のくだらない留学先の思い出話を我慢して聞いた甲斐があったってもんだ。ボブがどうとか
スチーブがどうとか知らんちゅーねん。誰やねん。でもこれなら待った甲斐がありました。
「俺ら、いいわ」即座に友人が言った。
ききき、貴様!何を血迷っているのだ、だだだだだ。 俺をあれほどないがしろにしといてオンドレは
今更いったい何を言い出すんじゃボケー!こっ、このインポ野郎!
私は錯乱した。
「俺らこういう店来た事ないし、なぁ?」友人は私に同意を求めた。
あの…{俺ら}って僕も入ってるんですか?もしかして。。
失礼ですがわたくし、仮にも風俗王を目指す男ですよ。アンタ。。。

でも、そう言えば行きの電車で彼と話をしたときに格好つけて「風俗行った事ナイ」なんて言ったかも。。
まいった、まいった、マイルドセブン!なんであんな嘘ついちゃったかなぁ僕。おうNO!

しかしここで神風が吹いた。(大袈裟)
有難い事に女店長は女の子のパネルを見せ、友人を説き伏せ結局遊ばせていただく事になったのだ。
重ね重ね良い仕事するよ女店長、店は大繁盛間違い無しだ。俺が保証するぜ!
※現在店は無くなったそうです。

ただし、無料にする代わりに我々は店長から頼まれ事をした。


付いた女の子は関西弁を使ってるから可愛く見えるタイプの女の子でした。
ここは女の子がまず受身になる店である。私は頑張って攻めた。
薄っすらと濡れてきたところで指を入れてコチョコチョとかき回すと女の子は喘ぎ声が
大きくなってきた、結構マジっぽい。良い感じだ。そろそろいいだろう。
「この店は本番は無しだよね」
私は耳元で囁いた。
「う、うん。だ、駄目なの、ごめんね」
嬢は吐息混じりに答えた。
結局69の体勢になり私は彼女の口内に射精した。どぴゅ。  (終了)



女店長から頼まれた事はこれだった。
ズバリ、「女の子に本番を誘ってほしい」と言う事である。
つまり、この店は定期的に抜き打ちで女の子にトラップを仕掛けているのである。
働く女の子の意識を教育する方針なのだ。素晴らしいではないか。
本番を迫る客だけではなく本番をさせてしまう嬢を取り締まっているのだ。
これは女性店長ならではの感性かもしれない。
※ちなみに「OKされてもやらないでね」と釘をさされていた事を付け加えておく。

僕と友人は颯爽と女店長に報告した。
「本番はさせてもらえませんでした!」

いやー、イイ仕事したなぁ。こんちくしょう。何がやねん?
でも、なんだか風俗は自分の財布を痛ませんとアカンなぁ。どうもスッキリせん。
スッキリはしたけど。(どないやねん)
そう言や以前、友人におごってもらった時もなんだか尻の座りが悪かったもんなぁ。

しかし、今回のはバイトだと思うことにした。私はヘルスの調査員の仕事をしたのだ。
そして私に付いたヘルス嬢もまたプロだった。
なんつってもこの私のテクニックを持ってしても{その気}にならんかったのだから(?)
アンタ、良いヘルス嬢になるよ。。そして友人に付いた嬢もな。あっはっはっ。

はっ?
店を出て歩いていると友人がつぶやいた。
「俺、じつはやっちゃったんだよね。。。」
「!」
「○○ちゃん(女店長)には言えんかったけど。。」
「!!」
「生でしちゃったけど大丈夫だよね?」
「!!!」

しっ、知るか!そんなこと、知らんわ、この野郎!うぇーん。
何てこったい。あー、またこれだよ。私の人生っていっつもこんなんばっかだもん。


友人のテクニックの事は知りません。(私とどのくらいの差があるのか)
ただ、ひとつ彼と隊長のあいだには決定的な{違い}があった事は確かです。

それは、顔である。。。(ぶっ殺す)        (完)


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