裏モノ探険隊:一風堂へ戻る
「雑誌の怪しい広告の話」 -そこには夢があり、そして絶望があった
俺は怪しい雑誌とか大好きです。 怪しい広告が貼り付けてあるような雑誌は特に大好物です。 今の雑誌なんてわりかしまともな(?)広告ばっかりですが昔の雑誌はそりゃもうカオスでした。 例えば。 「今日から君もモテモテだ!」とか。 「背を伸ばす方法」とか。 頭にカチューシャみたいなのをハメるだけで頭が良くなる道具とか。(エジソンバンド) どれもドラ○もんが裸足で逃げ出すような夢のある道具だ。 ちなみに上記の例は子供雑誌に載っていた広告だというのがミソです。 ただ子供相手の金銭商売はまずいからなのか『切手払い』というものもあって未使用の切手を現金代わりに支払う方法もありました。 たいがいあて先は『東京都私書箱○号』になっていて住所が書いてありません。 今考えると騙す気マンマンなんじゃねーか?と勘ぐりたくもなる。 子供心にもなんで私書箱ばかりなのか気になっていたもの。。 で、俺も昔から怪しいモノ大好きな子供だったので家の切手を少しづつパクり切手をためて買ったものがある。(私書箱に送った) それは、 「漫画家のように絵が上手くなる道具」 的なもの。値段は安かったように思う。 送られてきた商品は黒い箱になっていて覗き穴から書きたいマンガを覗きながら書くと上手に写せるというものだった。 … 本当に悲しいと涙って出ないね母ちゃん。※母ちゃんからくすねた切手です。 なんだこの無理ゲーは。たけしの挑戦状の次ぐらいにクソだ。(あれはあれで楽しんだけど) ちなみになんでこの道具が欲しかったかと言えば俺は絵が絶望的にヘタクソなので本気で絵がうまくなりたかったのだ。 その様子を見ていた姉ちゃんが言った。「あんた騙されたじゃないの?」 … でも俺は知っている。 姉ちゃんもその後、「寝ている間に勉強が覚えられる枕」というものを親にねだって買ってもらい1週間で返した事を。 彼女はその黒歴史について多くは語らないが夜中じゅう枕から英単語が流れてきて「寝れるかボケ!」という品だったようだ。 ※姉ちゃんは俺と違ってとても賢かったのでさらに上を狙いたくて購入したようだ。 まぁまぁ。 そういや俺も親にねだって『魔法の記憶術』なるものを通販で買った事があったな。 スラスラ暗記できてものすごく頭が良くなれる、というモノだった。 ちなみに俺は姉ちゃんと違って人並みになりたくて買った。 結果として変態が生まれました。(記憶術かんけーねー) 俺も返したけど(小声) まぁまぁ。 中学のとき拾ったエロ本に気になる広告を見つけた。 そこにはあまり宣伝文句はなくて電話番号だけが書いてあり、「Hな声が聞けます」 みたいな事が書いてある。 こ、これは! 早速電話してみる。。 2コールぐらいでテープレコーダーみたいなものが流れ始める。 『ポロンポロンポロンポロンポロンポロン♪』 と、『禁じられた遊び♪』が流れた。 きっとこのあとで「Hな声」が聞けるのである。 『ポロンポロンポロンポロンポロンポロン♪』 すると。 … ばばぁの声で。。 「染み付きパンティ 3000円」 「Hな声のテープ5000円」 とかって言い出した。 … … その後、このテープの電話番号は俺によって学年の一部の男共に広まった。 中学生だったので『染み付きパンツ』なんか要るかボケ!と言いながら大笑いした事を覚えている。 この頃の俺たちには『染み付きパンティの価値』が分からなかったのである。(今もわからんわい) こういう怪しいのが俺は大好きだ。 騙されるんだろうな?と思いながらももしかして?と思いやっぱりダマされるというアングラならではの醍醐味である。 有名芸能人流出ビデオだとかもずいぶん騙された。(買ってんじゃねーか) こうやって俺たちは大人になるに連れて必要以上に疑り深くなっていくのである。 (了) |