「隊長、映画館でホモに教われる!」 − 性別を超えろ!選択が倍になるぞ。
僕は10代の童貞少年だった。 その日も駄目人間ぶりを発揮していた僕は、朝イチでパチスロのモーニングを拾い、 それが全部飲み込まれてしまうと、その日にやる事は無くなってしまった。 まだ午前中である。僕は途方に暮れた。 金もない。 残ったのは帰りの電車賃と千円札1枚。 喫茶店にでも入るか?いや、お金が勿体無いしそんなに長くは時間が潰せそうもない。 その時、ふと看板が目に飛び込んできた。 {今○地下映画館、ポルノ映画2本立て500円} 500円?ふむ安いがな。2本見れば2時間くらいは潰せそうだ。よし行こう。 隊長はあっさり決めてしまったのです。これが有名なホモのハッテン場だとも知らずに。。。 モギリのオジさんに500円を支払う。とても無愛想だ。ギロリと睨まれたような気すらした。 まず、気になったのは通路に異常なほど人がいる事だった。 普段着の男で小太りの中年が多かった。サラリーマンは少ない。何だか異様な雰囲気を 感じた。どいつもこいつも僕の顔をジロジロ見るのだ。顔を半分新聞で隠してみてる奴もいる。 なんだ?この人たち。何で映画見ないの?まだやってないのかしら? そう思いながら観音開きの分厚いドアを開くとしっかり上映していた。 なんだ、やってるじゃないか。。。 中も人はけっこう多かった。ただしそのほとんどが後ろの通路に固まって立って見ている。 席はガラガラだ。 何でみんな立って見てるの??? せっかくなので僕は前の方の席の1番端に座った。今考えると端に座って良かったと思う。。。 映画はとてつもなくつまらなかった。まず、古い洋ピンだったしモザイクが粗すぎてアップに なると画面の3分の2くらいがモザイクになるので何が何だか分からなかった。 覚えているのが馬車の中で英国紳士とレディの絡みのシーンだ。 しかしこんなつまらん映画になんでこんなに人が入ってるのでしょうか? 気がつくと僕の座る椅子の隣に男が立っていた。 どうやら座りたいようなので僕は足を軽く引っ込めて通れるようにしてやった。男はそのとき 何かを言ったようだったが、音響のせいで聞こえなかった。たぶんお礼を言ったのだろう。 するとすぐにドスンという感触が隣から聞こえた。見ると私の左隣に男が座っている。 なんで??? 他にメチャメチャ空いてるやん。なんでここやの???? {もしかして、ここが彼の指定席かな?}アホで有名な僕はそう思って納得してしまっていた。 彼の横顔を見たが、モデル顔のとても良い男だった。(某男性デュオのボーカルに激似) 真っ直ぐ画面を見つめていたので僕も安心して映画を見続けた。 が、5分くらい経った頃だろうか、僕の左足のふともも辺りに妙な感覚があった。 見ると隣のモデル顔の左手の小指が私のふとももの上に軽ーく乗っているのだ。 何?意味がよくわからない。男は映画を凝視したままだった。 あまりにも意味不明で僕はずっとその長い小指を凝視していた。 す、すると次には掌全体が僕のふとももに乗り、スルスルと内側を撫で始めたのである! ヤベー!!!こいつ、モーホだ!たーすけてくれー!(←やっと気付いた男) 次の瞬間、僕はリュックを引っつかみ走り出していた。ドアを開けロビーを駆け抜けた。 ロビーのオヤジたちが一斉にこっちを見た。彼らも追いかけてきそうな気がしたので、僕は 外を出てからも走り続け、地下鉄のホームまで走り続けた。 お母ちゃん!僕、ホモに襲われそうになったんだよ。父さん! 怖かったよ、うえーん。 マジ、怖かった。こんな怖い思いをしたのは初めてでした。 あそこはホモの発展場だったのです。つまりはホモの方々の出会いの場で彼らにすれば言わば 聖域なのだ。でも、という事はあそこに居た方々はみんなそういう種類の人なのでしょうか? それならあんなに居るんですかい? そんなところに十代の獲物が丸腰で入場してしまったのです。 そりゃ狙われますわ。ぼく美少年だし。(←真顔で嘘つくな!) 私のふとももをなでたあの白魚のような指はあの後どのような動きをする予定だったんだ? 考えただけで怖いよー。 しかしえらい所に迷いこんでしまった。 (完) パートUに続く。 |