裏モノ探険隊:一風堂へ戻る




  「初めてのオナホール」    −感動とガッカリ感




あなたは童貞だ。そして高校2年生だ。そして手元には全財産の2万円がある。
彼に与えられた選択肢は2つある。

1.風俗へ行ってみる。
2.オナニーホールを買ってみる。

これはたぶんすべての男が選択を迫られる究極の場面である。(お前だけじゃ)
風俗は1回きりでお金はなくなるが貴重な体験なのでその後で何度も何度も思い出しオナニーが可能だ。
オナニーホールは何度も使える。でもしょせん偽者である。

しかし当時の俺は後者を選択した。
風俗にびびっていたのも事実だが、エロ本の巻末を華麗に飾っている(?)オナホールに心を奪われたのだ。
ちなみにこれは20年近くも前の話なので現在とは非常に状況が違っていて『オナホール』なんていう変態小道具を
気軽に買える時代ではない。しかも高級品だった。最低でも8000円〜20000円はした代物なのだ。

電車で5つほど離れた駅裏通りにその時代としては大きなビデオレンタル屋があった。
1階がレンタルショップでかなりマニアックな品揃えで半分以上がAVという「よくわかってる奴」が経営者のようだ。
友人たちとそこへは1度足を運んではいた。少女が「ただ海岸を走るだけ」というマニアックな作品も多く並ぶ。
その2階はアダルトショップになっていた。
階段の上り口には黒いのれん。。
『18歳未満禁止』の大きな文字。
その文字とのれんが我々を激しく拒絶していたのを思い出す。

そこへ俺は単身で乗り込もうというのだ。
追い出されるのも覚悟の上だった。実は以前に大阪で友人とアダルトショップに入って2秒で追い出された経験があるのだ。



中に入るととても小さなアダルトコーナーに電動オナホールが並んでいた。
その他のコーナーは今で言うリサイクルショップのようなガラクタなんだかアジアの輸入品なんだかよくわからないものが
陳列していたがメインはアダルトコーナーであることは一目瞭然である。

その見たくもないガラクタを手にとって見るフリをしつつ少しずつアダルトグッズコーナーへ近づく。
『おっ、こんなところにアダルトグッズがあるじゃないか』
そんな初めて気付いたような態度でをとりつつちょっと見てみるか、な態度で近寄る。(あんたバレてるよ)
そこの前に立ちオナホールを手に取った瞬間に店主とおぼしき男が近づいてきた。ヤバッ。
に、逃げよう。。

「いやいやそれはね、電動がないタイプなんだよ〜〜」
え、エライ愛想がいいおっちゃんだ。
「これはね、入れるだろ。すると強烈に締め上げるんだよ、これはね、激しいバイブレーション!」
頼んでもいないのに勝手に解説を始めるおっちゃん。。
必要以上に詳しいような気もするがこれまさかアンタの使用済みちゃうやろな。。
「それか〜それはね〜12000円にならできるなぁ。これ以上はちょっとまからんなぁ」
↑頼んでませんけど。

その勢いに17歳が勝てる訳がなかった。そして無理矢理買わされてしまった。(買うつもりできましたけど)

たぶんそのホールのタイプは今で言う『若奥様は柳腰』みたいなタイプではないかと思う。形も似ている。
※ホールの外側に女性がしが抱きついたような格好。
話はズレるかもしれないけどぼくはいま流行の(?)ヘキサゴンや三角すいのような形。それと素材が白い系統の
お洒落なオナホールが好きではない。やはり形は女性器に準じた形かピンクでエロティックさを兼ね揃えていないと
盛り上がってこない。こう、見ているだけで勃起するぐらいじゃないとね☆
ちなみにTENGAもスタイリッシュ過ぎて隊長は気に入らない。でもTENGAの中身はそれなりにエロティックで
いいと思います。また棒を通して中を温める装置を発売するあたりのセンスは素晴らしい。(こちら
しかし中のスポンジ素材がどうも気に入らない。ぼくのデリケートなチンコには合わないようだ。(今はALLゴム製品もあります)

その初めての電動オナホールにはバイブレーションと本体の回転でイカされてしまう代物だったが当時の高校生チンコが
期待を寄せていたほどのモノではなかった。前述の温めるTENGAじゃないけど中身の冷たさにも残念さを感じた。
なんといってもコンニャクオナニーは経験済みだったのであの『チンコの先っちょ火傷するわボケ!』的な熱さが欲しかった。
すぐにお湯で温めようという発想が浮かんだのだがこの商品、電動の機械と一体化していて中々それは難しかった。

結局、当時のぼくは残ったお金を握り締めてまたショップへ向かった。

今度もまた店長のアドバイスを聞きつつも柔らかそうな品を選んだ。
非貫通式でしたが先にピンクローターを取り付けるようになっていた。なお、そのピンクローターは最大パワーにしても
チンコまで振動が伝わらなかったので飾りに近い。ピンクローターは単体で使えますが童貞の俺には使い道もなく、
チンコに直接当てても気持ちよくないし、日の目を見る事無く捨ててしまった。
そのホールはとっても良くて8年ぐらい使った。これは今思うと異常に長い数字ですがこれは耐久性にも優れていました。
それでもだんだんと固くなっていったんですがいつもお湯で温めるのでお湯につけるとすぐに柔らかくなりました。
ビバ、メイドインジャパン。日本製は世界の憧れ。日本製が世界で最も輝いていた時代です。
結局貫通式に改造していました。ぼくはそのホールに『桃子』という名前をつけていた。
今でも思うときがある。
「桃子がここに居てくれたらな」
でも桃子はもう居ない。
※注意あくまでオナホールの話ですよ。

隊長は桃子を超えるホールに出会うべく一体いくつのホールを買ったことだろう。
たぶん50は軽く超えてるんじゃないだろうか?

でも、まだ出会えないのである。  (了)



           裏モノ探険隊:一風堂へ戻る