裏モノ探険隊:一風堂へ戻る




    「裏本を求めて三千里」    − ザクとは違うのだよ!ザクとは!




私は裏本が好きである。何故か分からんが好きである。
モデルの女性があまり感じている写真が無いというのもその理由のひとつではある。
生チンポを突っ込まれてとても爽やかなスマイルを振りまいている裏本が圧倒的に多かった。(昔はね)
そんな私はマニアック野郎だろうか?(私の周りは裏ビデオが好きなようだ)

しかし、裏本も新宿へ行く以外ではなかなか安全に手に入らなくなった。
私は昔、大阪で主に買っていた。その店は高校時代からの付き合いだったが、
すぐに裏本は入荷しなくなり、裏ビデオを専門に扱っていた。
その店内には大人のおもちゃはもちろん、エロ本などがあまり置いてなく、入るなり、
店主のオバチャンまたはおっちゃんが、「何の用?」と言うのが挨拶だった。
そこで客は、「本」または「ビデオ」と告げるのだ。すると彼らは黒い垂れ幕の中に消え、ブツを持って
帰ってくる。大抵もう裏本は入荷してなかったので専らビデオだった。
試写は無いので分かるのはタイトルだけで、カンで選ばなければならない。
値段は1本8000円。高い!今考えるとまさにぼったくりだ。
でも私は仕方なく買っていた。(裏本は1冊5000円也)
毎回、裏本が入荷している事を期待して足を運んでいたのだが、ある時店が無くなっていた。
表には張り紙があった。{都合により、しばらく休ませていただきます}私はその時、直感した。
パクられらたな…。

思えば、先日来た時に買った裏ビデオは最悪だった。ジャンルで言えば「女子高生モノ」だった。
その女子高生(?)は服を脱がない。そして男優がパンツ越しに秘部をいじるのだが恥ずかしがって、
パンツを脱がせようとしない。
さらにやっと脱がしたと思ったら、なぜかアソコに濡れたガーゼが乗せてあるのだ。(意味不明)
これでもか、というほどに観音様を守っているのだ。この時点ですでにテープは20分を回っている。
早くしないと終わってしまうではないか!やっと彼女は観念してガーゼを外す事を了承した。
男優がゆっくりガーゼを外し始めた。すると画面の中央に字幕が現れた(つづく)
ナント!そこでテープは終わってしまった。
何が「つづく」だ、このやろう!一体全体どこへ「つづく」と言うのだ?
てめーふざけんなよ。ハハンお前ら皆グルだな!大体お前のようなアバズレが女子高生っちゅーのが
無理があるんじゃ!恥ずかしがってる場合か?仕事をなめんな。社会をなめんな。大人をなめるなよ!

生き仏とまで言われている私もキレた。店に行って文句を言うつもりだった。何と言っても今回は
そのビデオを持参してきたのだ。返品、もしくは交換させるつもりだったからだ。でも店は無くなっている。
どちらにしろ脱力だ。私にとって唯一裏本入手の可能性があった店が無くなってしまったのだ。
ピンチである。死活問題と言っても良かろう(?)

その頃の私は名古屋近郊に住んでおり、大阪には用があっても、東京には用事が無かった。
確かに歌舞伎町へ行けば、裏本は難なく手に入る。しかも3冊で10000円前後と安価でもある。
しかし如何せん用が無い。
ネットや通販でも売られているようだが、郵送されてくるのは避けたいから私は店で買いたいのだ。
ここは名古屋近郊の大人のおもちゃ屋をしらみ潰しにあたるしかあるまい…。
しかし名古屋の大人ショップはやけに綺麗で品揃えが豊富だ。
如何にも「表商品」で勝負しているのが見て取れる。
ここは少し足を延ばして郊外の怪しいショップを探さなければならんだろうね…。


1軒目:

如何にも怪しい、しかも裏口のある店を発見。入ると店主が奥から出てきて怪訝そうにこちらを伺う。
(以下はやり取り)

「本ってあります?」
「もしかしてノーカットの奴?」
「ええ、探してるんですが」
「ここ5年以上入って来てないよ」
私はお礼を言って、店を出た。やはりか…。


2軒目:

今回は単刀直入に聞いてみた。
「裏本って入荷しませんか?」
「無い!無い!そんなの!」
店主は私のぶしつけな質問に少し気分を害されたようである。(キレぎみ)
「そうですか…」
私は悪かったという思いもあり、そばにあったローションを手にして店主に差し出した。
「じゃあ、これください」
すると店主の態度が急変した。支払いを済ますと彼は裏本について語りだした。
「裏本探してんの?どこにも無いでしょ?ウチもホントは扱いたいんだけどね。
今、手に入れる方法は、懇意にしてくれてるお客さんのコレクションを譲ってもらって
お売りする事しか出来ないねぇ。でも、そうすると中古でも1冊5000円くらいしちゃうけどねぇ。
それでも良かったらまた来てよ」

うーん。なるほど。しかし中古に5000円出す気にはなれんな。。。
ただ、ここで素朴な疑問。
この店は品物がほとんど無いのだ。正直ウチの近くのドラッグストアの大人のコーナーにも負けている。
こんなんで商売は成り立つのかい?
これは私のカンだが、本当は裏本も裏ビデオもこの店は扱っているのではないだろうか?
ただし、常連にしか売らない。彼は裏商売のプロであるが故に、危ない橋は極力避けたいのだろう。


…ここまで考えたがその後、その店には行っていない。
結局、東京に行ったついでに歌舞伎町で手に入れたのだった。
すまんね、つまらんオチで。                                     (完)



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