「自販機エロ本に賭けた夢」 − 夢は街で売ってるんだよ、坊や。
日本横断をぶち上げて車で南下していた。 1度は行ってみたかった青森の恐山に立ち寄った。ちなみに恐山は日本3大霊場のひとつで、 日本中の霊魂が集まってくるらしい。イタコも何人か見かけた。 名前から連想すると怖いところのように思うが、どちらかというと観光名所といった趣だ。 とは言え、辺りには至るところに硫黄が吹き出し、死者の御霊を静めるための積み石があって、 赤子供養の風車が揺られていたりして異様な雰囲気ではある。(駄洒落ではない) 私はそこから山道をひたすら下り池袋のイメクラを目指してひた走っていた。(アホだ) 言うまでも無いが恐山から池袋まではそれこそ恐ろしいほど距離がある。私は観光しつつ、 急ぐ旅でもないから数日間かけて車を転がした。今考えるとなぜ、池袋のイメクラを目指した のかはよくわからない。もしかしたらスポーツ紙で{今、池袋のイメクラがアツイ}という記事を 読んだからなのかも知れないが、多分1ヶ月を超える1人旅に脳が少々やられていたのだろう。 ナニ「今でもやられっぱなしじゃないか」って?てめー、早漏移すぞ、この野郎! しかし選んだルートが悪かった。山ばっかりだ。青森は本当に青い森ばっかりだった。(季節夏) ※青森の方、気を悪くしないでね。 やっと平地になっても何も無い。食料と水は日本大飢饉が来てもあと1ヶ月は持ちそうなほど、 貯えはある。もっぱらチェックするのはガソリンスタンドだ。何しろ日曜日は大抵のスタンドが 休んでるし、夜も6時には終わってしまうところが圧倒的に多い。ガス欠は洒落にならんので 早めの給油が必要になるのだ。(これ長旅の鉄則です) さて自販機コーナーに混じって、{自販機エロ本}がよく目に入ってきた。 誰とも会わず、話もせずただひとりで車を流していると楽しみは性欲しかない。でも風俗は なさそうだし、コンビニにはエロ本も売ってなかった。さすがにスポーツ紙の風俗情報だけでは ヌケないし、自販機エロ本は非常に便利であった。 そこで物色していると地元の若者らしき車が通りすぎるときに何事かを叫びながら大きな クラクションを鳴らして私を冷やかした。 くそガキめ。遊んどらんと年金ちゃんと払えっ!(払ってるかもしれんが) エロ本を2冊購入することにする。どうせ写真は前の方だけで後はヌケない{人妻の告白}的な 文章が載っているだけの昔ながらの自販機エロ本だろうが、贅沢は言えまい。 {裏本3000円} ところが、突然そんな文字が私の網膜に飛び込んできた。まじ?くれー! 「マスター、裏本1丁!」 「ヘイ、裏本、お待ち!他にもイイネタ入ってるよっ」などとマスターが応える訳も無い。 しかもその下には無情にも{売り切れ}の文字。 Shit!何てこった。俺はなんてついてないんだ。 さらに{明日入荷}と書いてある。待ちましょう。あー待たせていただきます。 あー、マ○コ見たい。マン○見たい。○ンコ見たい。(そのうち捕まるわこの人) でも半ば修行僧のような生活をしていた私には{裏本}という響きは麻薬にも似ていたのだ。 よく考えれば頑張って走れば東京でいくらでも上質な裏本を買えたのだが思いつかなかった。 多分1ヶ月を超える1人旅に脳が少々やられていたのだろう。 ナニ「今でもやられっぱなしじゃないか」って?てめー、短小移すぞ、この野郎! ※注 現在新宿でも裏本は自由に買えません。リリースも激減してます。残念。 まぁだいたいオチは想像できるでしょうが、待っても次の日に裏本が入荷する事はなかったっす。 当たり前ですわ。本物を自販機なんぞで売る訳はないものよ。私だって薄々感じとりましたがな。 でも私は夢を追ったのです。 次の日時間つぶしに寄った腐ったパチンコ屋で2万ほどいかれましたけど。(殺す) どちらにしろ今も昔も私はアホのままです。 成長ってなんだ? (完) |