ニュー裏モノ探検隊:一風堂

日本フーゾク。たいちょうのひとりごと

マルチ商法

※HP過去記事です。

 

世の中には嘘や騙しが溢れかえっている。
しかし物心つく前から我々は親にもたくさんの嘘をつかれてきたし、先生や大人たちも平気で嘘をつく。
そんな大人に嫌悪感を抱きながら育ったぼくらもいつの間にか嘘ばかりついている。小さな嘘。大きな嘘。ぼくらは慣れなければいけない。そして見破らなければいけない。世の中に溢れる様々な嘘と騙しのシステムに。

以前に「宗教団体に1日入門」というレポートを書きましたが今回もそんな社会勉強(?)なネタです。


まぁほんの少しでも誰かの役に立たないかな?という気持ちで書きます。
その時代からすでに30年以上が経過しましたが正直まだこの件に関しては気分がよろしくありませんね。



20歳になってしばらくしてからだったか古い友人から電話があった。
まぁそう古い友人でもないが正直よく知らない奴だ。バイトで2ヶ月間一緒だっただけだし、そいつは「昨日ナンパしてやった話」ばかりするのでその頃からあんまり俺は心を開いてなかった。
※のちにこの「昨日ナンパしてやった話」はほぼ嘘であった事が判明。のち和解。(してねぇよ)

そいつは言った。
「○○まで来てよ。久しぶりに会おうよ。」
○○…そこは名古屋の中心地にある喫茶店だった。
俺は当時愛知県に住んでいたが中心地にはほど遠かった。電車を乗り継いで1時間近くはかかる。
正直行きたくねー。もうオナニーしちゃったし。わいは活動限界です。
「女の子も来るよ」
だからもうオナニーしたんだってば、ったく!

喫茶店に入ると一番奥に奴は居た。(行ったんかい!)喫茶店はそこそこ客がいる。
奴を見るとなんだか様子がおかしい。何だか落ち着かない感じだ。
数年ぶりに会うからだろうか?やたらと身なりがキチっとしている。
奴は挨拶もそこそこにテーブルの上に小さなアタッシュケースのような物を広げて見せた。で、女の子は?
「おれは今、コレ売ってるんだよ」
中身は宝石だった。ルッパーン☆

って馬鹿野郎!この俺様に宝石を売りつけようというのか?買うかボケ。寝言は寝て言え。寝グソは寝てしろ!
オナニーは起きてからしろ、そりゃ夢精だ。だいたいな、お前は知らんだろうが俺はまだ童貞なんだよ。


むしろ童貞を売りにしてんだよ。(してねぇよ)

と、思ったら違った。。話は宝石の1つや2つではなくてもっとスケールのでかい話だった。「一緒に商売しようぜ」的な話だった。
要約するとこのような話になる。

1.このアタッシュケースの20歳の素人目にもガラクタのような宝石を全部俺が買う。(50万くらいだったかな?)
2.それを俺が売る。
3.売る人間を他にも紹介すれば報酬が入る。上に上がると売らなくても大儲けできる。

早い話ねずみ講だ。本人たちはマルチ商法であってねずみ講ではないと言うだろうが俺に言わせればどっちも目くそハナクソだ。尻毛とチン毛の境目の毛ぐらいどっちでも一緒である。ヘソ毛とチン毛の境目の毛ぐらい…まぁいい。。
20歳そこそこの童貞野郎の売るガラクタ宝石をいったい誰が買うというのだ?最初の50万はローンでもいいそうだ。(アホめ)

彼はその「システム」について語るときキラキラした目をしていた。目だけが異様なまでにキラキラしている。
余談だが俺はこういう目をした人間をこの年までに何人か見たことがある。
1人はHP内で書いた宗教の勧誘の男。もう1人の男はどうしようもないシャブ中だった。(友人じゃないよ)
俺は当時そいつがスピードをやってる事は知らなかったが今思い出してもあの目には恐怖を覚える。最近彼が売人として実刑を食らったのを知った。売人になった理由は簡単。自分に安定した供給が受けられるから。もっと詳しく言うと売人は卸から受け取った覚せい剤に岩塩なんかを混ぜてかさましをして自分の分を確保します。そして残りを売りさばくのですがこれは製造業者から中間業者が何人か居てみんなが混ぜ物をします。なので末端なんて純度がクソ悪い粗悪なブツになる訳です。しまった喋り過ぎた。

そう、俺の知るシャブ中の彼の「目」は笑ってても怒ってても瞳だけがキラキラ輝いていた。急に大声を出したり怯えてみせたりそのくせ突如激高したりして異常な行動が目立ってはいた。かと言えば寝続けた。(思い返すとあれはシャブ切れだろう)

 

でも俺がどうしても忘れられないのはあの目だ


目薬をさしたばかりのようなギラギラと光ったあの二つの瞳。

今にも涙がこぼれ落ちそうなあの瞳。
俺はあんな瞳にだけはなりたくないので覚醒剤は絶対やらない。あんな瞳になるくらいならこの世から消えた方がましだ。

話がそれたが、目の前に居る知った男がそんなクスリであり狂信的な男であるような目になっていたのだ。
もともと俺はそいつに心を開いた記憶など一度としてないが、今ハッキリと分かった。

 

俺はお前が大嫌いだ。


俺はあまりのアホらしさに席を立とうとした。すると恐ろしい事が起こった。
周りの席の人間が一斉に俺の方を向いたのだ。
なんと奥に座った俺の座っているボックスを囲むボックス席すべての客が、奴のグルだったのである。入れ代わり立ち代わり違う人が俺の目の前に座り、俺を口説いた。どいつもこいつもまっすぐに俺の目を見ている。
状況だけ言えばキャバクラを貸し切ったような気分である。(嘘つけ)

つー訳でダッシュ → どぴゅ(得意のね)

どーしようもならん程、めんどくさくなった俺はトイレに行くふりをして入口(出口)へ逃げました。大得意の丸投げです。

エイトマンみたいな逃げ方です。←古過ぎるわ


入り口で店員に1000円札を渡して来たような気がしますがそのあたりは非常に記憶が曖昧です。

「あいつから連絡あっても絶対に相手にするな!」
帰ってすぐに俺は、友人たちに電話しまくりました。
最近でも、その手の勧誘っぽいのをファミレスとかで見かけると蹴り飛ばしたくなる衝動が起きます。



「たいして親しくもなかった友人から突然連絡があったときは身構えましょう。隊長の経験上ロクな用事ではないです。」

あと、目が異常にキラキラ輝いてる奴には気をつけよう。   (了)

 

 

2023年追記:

覚せい剤のくだりはだいぶ加筆しましたが驚くほど今の時代と大差ないのがなんとも。今はこういうのがSNSなどで孤独な人に対して行われています。手を変え品を変え。ある種のカルトな政党もそう。〇〇党はもう人手不足というか高齢化が激しすぎて新規の党員集められないので喋れる広告塔みたいのを党首にして新たな党を作り若者から中年層をターゲットにしようと躍起になっています。ただ見る人が見れば〇〇党の主張そのものなのでデジタルネイティブ世代の頭の良い今の若い人は騙されないでしょうね。だって主張が中共とまったく同じじゃないですか。居るの?あれで騙されるアホって。

まぁ当時のぼくも奴にとっては騙せそうなアホに見えたんだと思います。なんかそれが今でも腹立つのよね

(*´Д`)

 

 

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