※HP過去記事です。例によって後日談あり。
☆
ぼくは10代の童貞少年だった。
その日も駄目人間ぶりを発揮していたぼくは、朝イチでパチスロのモーニングを拾い、
それが全部飲み込まれてしまうと、その日にやる事は無くなってしまった。
まだ午前中である。僕は途方に暮れた。 金もない。
残ったのは帰りの電車賃と千円札1枚。
喫茶店にでも入るか?
いや、お金が勿体無いしそんなに長くは時間が潰せそうもない。
その時、ふと看板が目に飛び込んできた。
{今○地下映画館、ポルノ映画2本立て500円}
500円?ふむ安いがな。2本見れば2時間くらいは潰せそうだ。よし行こう。
少年はあっさり決めてしまったのです。
これが有名なホモのハッテン場だとも知らずに。。。
モギリのオジさんに500円を支払う。とても無愛想だ。ギロリと睨まれたような気すらした。
まず、気になったのは通路に異常なほど人がいる事だった。普段着の男で小太りの中年が多かった。サラリーマンは少ない。何だか異様な雰囲気を感じた。どいつもこいつもぼくの顔をジロジロ見るのだ。顔を半分新聞で隠してみてる奴もいる。
なんだ?この人たち。何で映画見ないの?まだやってないのかしら?
そう思いながら観音開きの分厚いドアを開くとしっかり上映していた。
なんだ、やってるじゃないか。。。
中も人はけっこう多かった。ただしそのほとんどが後ろの通路に固まって立って見ている。席はガラガラだ。 何でみんな立って見てるの???
せっかくなのでぼくは前の方の席の1番端に座った。今考えると端に座って良かったと思う。。。
映画はとてつもなくつまらなかった。まず、古い洋ピンだったしモザイクが粗すぎてアップになると画面の3分の2くらいがモザイクになるので何が何だか分からなかった。
覚えているのが馬車の中で英国紳士とレディの絡みのシーンだ。
しかしこんなつまらん映画になんでこんなに人が入ってるのでしょうか?
気がつくと僕の座る椅子の隣に男が立っていた。
どうやら座りたいようなので僕は足を軽く引っ込めて通れるようにしてやった。男はそのとき何かを言ったようだったが、音響のせいで聞こえなかった。たぶんお礼を言ったのだろう。するとすぐにドスンという感触が隣から聞こえた。見ると私の左隣に男が座っている。
なんで???
他にメチャメチャ空いてるやん。なんでここやの????
{もしかして、ここが彼の指定席かな?}アホで有名なぼくはそう思って納得してしまっていた。
彼の横顔を見たが、モデル顔のとても良い男だった。
(某男性デュオのボーカルに激似)
真っ直ぐ画面を見つめていたのでぼくも安心して映画を見続けた。
が、5分くらい経った頃だろうか、僕の左足のふともも辺りに妙な感覚があった。
見ると隣のモデル顔の左手の小指が私のふとももの上に軽ーく乗っているのだ。
何?意味がよくわからない。男は映画を凝視したままだった。
あまりにも意味不明でぼくはずっとその長い小指を凝視していた。
す、すると次には掌全体が僕のふとももに乗り、スルスルと内側を撫で始めたのである!
ヤベー!!!こいつ、モーホだ!たーすけてくれー!(←やっと気付いた男)
次の瞬間、僕はリュックを引っつかみ走り出していた。
ドアを開けロビーを駆け抜けた。
ロビーのオヤジたちが一斉にこっちを見た。彼らも追いかけてきそうな気がしたので、ぼくは外を出てからも走り続け、地下鉄のホームまで走り続けた。
お母ちゃん!ぼく、ホモに襲われそうになったんだよ。父さん!
怖かったよ、うえーん。
マジ、怖かった。こんな怖い思いをしたのは初めてでした。
あそこはホモの発展場だったのです。つまりはホモの方々の出会いの場で彼らにすれば言わば聖域なのだ。でも、という事はあそこに居た方々はみんなそういう種類の人なのでしょうか?それならあんなに居るんですかい?
そんなところに十代の獲物が丸腰で入場してしまったのです。
そりゃ狙われますわ。ぼく美少年だし。(←真顔で嘘をつくな!)
ぼくのふとももをなでたあの白魚のような指はあの後どのような動きをする予定だったんだ?考えただけで怖いよー。
しかしえらい所に迷いこんでしまった。(映画館編完)
☆
やけにホモにモテた?いや、遭遇した時期があったんです。
前述の映画館は知らずとは言え、ハッテン場に自ら入り込んだ訳で仕方がないのですが、普通にトイレで用を足した時にナンパされた事が2回もありました。(いずれも10代の頃)
でも、そんなのは大した事ではない。もっとやばい目に遭ったのだ。
その場所はカプセルホテルの露天風呂である。
今思い出してもあれはヤバかった。絶体絶命だった。
友人とパチンコの旅打ちに大阪に行ったが、例によって素寒貧(スカンピン)にやられ、ケツ毛まで抜かれてまともな宿にも泊まれずカプセルホテルに泊まる事になった。
が、ここのカプセルホテルは値段の割に非常に快適だった。
ここはサウナも経営しているので、カプセルの客も利用できて風呂は多いし広かったのだ。友人と私は安いメシも食い終わっていたので、ひとっ風呂浴びることにした。その日は平日ですでに夜中に近かった事から浴槽に人があまりいなくて余計に気分が良かった。
友人はサウナマニアで、私は露天風呂マニアである。
ここの露天風呂はベランダから下を覗くと一面にお墓が広がっているという、非常に
イカした(?)ロケーションである。結構広いので気持ちが良い。
私はドアを開けて露天風呂に入った。そこは全体的に暗くて非常に素敵だ。
スポットライトが中央を照らしている。
風呂につかると奥に人がいるのが見えた。
ぼくは気持ちが良く、目をつぶった。夜風がほほを撫でる。
気持ちが良いぜベイビー。
しばらくしてから私は目を開けた。するとさっき奥にいたはずの男が中央まで来ていた。男はこちらを見ていた。何だか嫌な予感がした。男は面長でモデル顔である。イイ男だ。少しだけ映画館の悪夢が過ぎる。
まだこっちを見ている。
ヤバイ。心なしか少しづつ近づいてきているような。。。。
いよいいよヤバイ。
{何かアクションを起こされる前に逃げよう}そう思った瞬間である。
男はザバっと立ち上がった。
暗闇の中で男のシルエットがスポットライトに照らされていた。
なんてこった!!!
たーすけてくれー!!!誰かー!!助けてー!!!
男のペニスはビンビンに勃起していた。
露天風呂で勃起している奴を見たのは初めてである。
その勃起チンポは真っ直ぐにぼくを狙っていた。少しづつ近づいてきている。しかもそのチンポは長かった。細かったけど長かった。そして亀頭がやけにデカかった。お湯とスポットライトでテラテラと光っていた。(ジェイソンの斧よりもコレの方が個人的には怖かった)
たーすけてくれー!!!誰かー!!助けてー!!!
絶体絶命だった。何がヤバいってぼくは全裸なのだ。これをピンチと言わずして何をピンチと言おう。
が、その時、奇跡が起きた。サウナに入っていたはずの友人が露天風呂に来たのである。男はさっと体を入れ替え露天風呂から去って行った。神様。私は助かったんですね?
「ホモがいる!ホモがいるんだよ、吉田君!」(吉田ではナイが)
私は友人に報告した。友人はマジでビビッていた。
我々は逃げるように風呂をあとにした。
この事件は今でも思い出します。
しかしあのとき友人が来なかったらぼくは一体どうなっていたのでしょうか?考えると怖いです。そしてその後しばらくは、初めて会う男はまず、{ホモではないか?}と疑ってしまうようになってしまいました。特に面長でモデル顔は疑っています。
※面長でモデル顔の人、ごめんなさい。
(サウナ編完)
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2023年追記:
LGBTQ。分かっています、ホモと言ってはいけないという風潮があるのも知っていますが本文ではあえてホモと言っています。理由がホモが一番響きが可愛いからです( *´艸`)
ここでぼくがやたらモテたと言っていますが今ならぼくにもその理由が分かります。ズバリ『若かったから』です。ぼくたちがJKが誰でも可愛く見えるようなものですよ。(まぁそうでもないのも居るけどね)彼らは基本ノンケが好きでしょうしね。名古屋は意外と多いです。納屋橋にもそれ専門のホテルありますしね。ちなみに最初の一話の映画館は残念ながら(?)ほどなく閉館し今やビル自体が無くなってしまいタワマンの建設が始まっています。ここで『タワマンでユビマン』という語呂の良い言葉が浮かぶのですが『タワマン買った人やタワマンに住んでる』と聞くとどうしても『タワマンでユビマン』という言葉を投げかけたくて、って言うか実際に言ってしまう。『タワマンでユビマン』もしぼくに言われた場合は『傘持ってないのに雨に降られた』ぐらいに思ってくださると幸いです。(*´ω`*)
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